不安な気持ちから抜け出すための具体的なステップ

「そもそも不安とは?」

実は、不安な気持ちは努力することでずっと早く解消出来るようになるという事をご存知でしょうか?ここでは、ステップ by ステップで不安の解消方法をお伝えしたいと思っています。ぜひ一つづつ自分のペースで試してみてください。あなたが抱えている「不安」や「心配」は人とは比べられないものです。どうか抱え込まないで色んな方法で分散させてくださいね。

不安とは無意味な動揺である

最初から全否定のようになってしまってごめんなさい。実は頭が良くて繊細な人ほど不安だったり心配を抱えている傾向が高いと言われているのはご存知でしょうか?

良かったらちょっと立ち止まって思い返してみてください。もしかしたら今悩んでる事、実はまだ起こっていない・・・なんてことはありませんか?私が不安になった時にいつも読んでいるアランの「幸福論」という本にこのような記述があります。

「不安とは無意味な動揺である」
思うに、不安とは無意味な動揺にほかないらない。それは、考えるほど必ず大きくなる。人は死について考え出した途端に、死ぬのが怖くなるもの。単なる可能性を考えているうちに訳がわからなくなり、すべてが怖くなるのだ。腹の具合がおかしくなるのは、具体的な対象もないのに、ぐずぐず考えているからなのだ。

沢山考える人、思考が深い人はあらゆる可能性を考えます。そうした思考の結果、あらゆる危機を乗り越えたり、人助けが出来たり。メリットも多いこの思考回路ですが、ときには悪い影響を及ぼす事も。

私たちが不安の対象について考えるとき、考えれば考えるほどネガティブな思考回路に陥りがちです。そのときに想像してしまう、起こりうるあらゆるネガティブな結果のせいで、普段の生活に支障をきたしてしまっているのなら、少しだけ「あーもう考えるのやめたー!」みたいないい加減さを自分に許してあげてもいいかもしれませんね。

不安・心配のループから抜け出せない理由

とはいっても私たちはなかなか思考のループから抜け出せない習性があるのです。何故かというと、気づかずに不安の元ネタを何度も何度も脳内で反芻して、そしてそうなるような行動を続けてしまっているのです。

例えば「職場で特定の人に無視された」という事実があったとします。そうすると、あなたの中にどのような不安な気持ちが湧き上がってくるでしょうか?「いじめられているのかもしれない」「あの言動が理由で嫌われたのかもしれない」「明日職場にいっても無視されるかもしれない」「仕事に支障がでたらどうしよう」という思考回路になるかもしれません。そして手に冷や汗をかき、憂鬱な気分になり、ちょっと呼吸が浅くなってしまうかもしれません。

この時点で、「起こった事」そして「まだ起こっていない事」両方がごちゃまぜになってしまっているのに気づいたでしょうか?私たちはまだ起こっていない事に不安を感じてしまうようにできているのです。実はここまでは私たちにはコントロールができない部分でもあります。私たちは思考をコントロール出来ません。私たちに変えられるのはこの後の行動だけなのです。

「感情ではなく態度をコントロールする」

余談ですが、人前に立つと緊張してしまい、上手に話せない生徒がいたとします。「もっと自信をもって話しましょう」というアドバイスを聞いた事ありませんか?このアドバイス間違ってないんですが、ちょっと惜しいらしいです。

じゃあどんなアドバイスがいいかというと。「顔を正面に向けて、胸を大きく開きましょう。そして言葉を発する前にしっかりと息を吸いましょう。」違いは明確。こちらは行動をしっかりと指示しています。

何が言いたいかというと、色々ごちゃごちゃ考えて大変だよね。考えるのやめようって言ったって、じゃあ実際どう行動するのってところを伝えないと意味ないって事です。というわけで、ここからはしっかりとステップを踏んで「マイナスの思考ループから抜け出す」ための行動を説明していきますね。少し長くなりますが最後までお付き合いください。

「思考を剥がす」

その1:まずはちょっと深呼吸。

人って色々考えすぎると本当に呼吸が下手くそになるんです。浅くなってたり、止まっちゃう人もいます。だから一回落ち着いて、思いっきり息を吐いて、吸って。呼吸に意識を向けて。目をつぶってもいいし、つぶって色々考えちゃうなら開けておいても大丈夫。

そしてあくびなんかも良いですね。私たちの脳みそは複雑なようで、ちょっと単純な面もあって、「深呼吸」や「あくび」をする事で、自分はリラックスしたときの行動をしている→という事はリラックスしているのではないか、というストーリーを脳が勝手に作ってくれるのです。行動で思考が変わる一例です。

そんな事で・・・と思うかもしれません。「深呼吸」も「あくび」も一瞬の行動です。ただこの行動に集中してリラックスしている一瞬一瞬の積み重ねがとっても大事なのです。

あくびは、命の叫び、言うなれば健康を回復する事であり、深刻な状況への拒絶反応のあれわれである。いわば、無頓着さを思い切り宣言しているようなものだ。それはだれもが待ち望んでいた合図、隊列への解放の合図のようなもの。この安らぎ感は抑えようがない。どんな深刻な状況であっても、最終的にはあくびをすることに至るのである。

アランの幸福論 エッセンシャル版

その2:バイブルをもつ

この記事の中で何度か引用してきたアランの幸福論、これが私のバイブルです。私が不安になった時は必ずこの本をパラパラとめくります。そうすると自然と心が落ち着いてきて少し気が楽になるのです。みなさんもぜひ自分のバイブルを見つけてください。

私にとってはアランの幸福論がバイブルですが、必ずしも同じである必要はありません。大事なのは自分の心を楽にしてくれるバイブルを探す事。自分が大好きな本でもいいし、雑誌でもいい。写真集かもしれない。映画やアニメ、ウェブサイト、お気に入りの曲でもいいのです。

大事なのはこれがあれば大丈夫、これに接している間は心が落ち着くのだと、自分が信じられるもの、他に思考が移りにくいもの、そして何度でも繰り返し戻ってこれるものを選ぶ事です。

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その3:ルーティンをつくる

自分にとってのバイブルを見つけたら、次はルーティンを作ってみましょう。例えば大好きな写真集を見ながらコーヒーを飲む。アニメを見ながらストレッチする。走りながら大好きな音楽を聞く・・・など。こうしたルーティンの途中でも何度も負の思考ループが戻ってくるかもしれません。それについては次のステップで説明しますね。

おすすめのルーティンとしては自分に少し投資してあげる事です。普段は忙しくて、ないがしろにしていたり、丁寧にできていない事。たとえばコーヒーを淹れる、普段インスタントで済ましている方も、ハンドドリップで入れてみたり。普段聞き流している曲なら歌詞を見ながらじっくり聞いてみたり。目をつぶって音楽に浸るのもいいかもしれませんね。

そのルーティンの間は他の事に気をそらさずに、どっぷりとその世界に浸かる事を意識してみてください。私の場合はゆっくりお風呂に浸かる事です。好きな曲を流しながら、入浴剤をいれたお風呂に汗をかくまで浸かりながら、アランの幸福論を読みます。そうすると不思議と心が落ち着いてきて「もしかしたら、大丈夫かもしれない」という優しい気の緩みが自分の中に作られるのです。

その4:思考に気づくこと

先ほど書いたように、どんなに心を落ち着かせるものに触れていても「負の思考」というのは隙間を見つけて潜り込んでくるものです。

ふと気づいたら私たちを悩ませる対象に思考が向かっている。ただ、あまりにも渦中にいるとその思考にすら気づいていない事もあります。

あ、いま思考が戻ってしまったな、と気づいたらそれは前に進んでいる一歩と思ってください。気づいたときは、そらせばいいのです。もう一度「今」やっているルーティンに集中し直しましょう。読んでいる文章に目を向ける、ストレッチしているなら指先に意識をもっていく。最初は難しいかもしれませんが、何度も繰り返すうちに、気づきも早くなってくるはずです。

その5:解決しようとしない・調べすぎない

今は調べるとたくさんの情報が手に入る世の中です。いま抱えている問題についても、同じように悩んでいて相談している人や、解決策をかいているページを見つける事ができます。

本当に悩んでいるときは、そういった情報からも一度離れる事をおすすめします。なぜなら調べている間は、その問題に無意識に向き合ってしまうからです。ネットにある情報は有益なものもあれば、不安をあおるだけのものもあります。問題の渦中にいるときは、私たちはうまく情報の取捨選択ができず、より不安な気持ちを強めてしまう可能性が高いのです。

負の思考ループに陥っているときは、その準備ができるまで、問題の解決は一度置いておいていいのです。大事なのはあなたが今、ほっと一息つくこと。すべての問題に解決が必要とは限りません。いつか心の準備ができるまで、ほったらかすのは悪い事ではありません。

「まとめ」

私たちの世界は、私たちの思考で作られています。不安な気持ちをもって過ごしても、好きな事を考えて過ごしても、今は同じです。どうか今の不安な気持ちを少しでも手放して、少しでも「楽」になるためにぜひ試してみてください。全てはそれからでも遅くありません。

最後は時間が解決してくれる

抱える問題が大きいほど、その不安な感情の消化には時間がかかるものです。無責任に感じてしまうかもしれませんが、最後はやっぱり時間が解決してくれる事も多いのが事実。もうどうしようもない、ってときは時間に頼る事も選択肢のひとつです。

今が辛ければ、あとはよくなるだけ。

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